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 解説

・・・・・足だけの問題ではないんです

股関節の異常は、さまざまな原因で起こります。
日常の姿勢や歩行姿勢の崩れで、足にかかる体重のバランスが狂ってくるということの他にも、内臓の不調でも起こってきます。
女性の場合は子宮の左屈・右屈というのもありますし、男性でも腰・腹部の筋のバランスを通して内臓の位置が微妙にズレるということがあるんですね。
また、左右差だけではないんです。
お尻の方には坐骨神経という太くて重要な神経が走っていますが、転んで尻を打撲したり、あるいはデスクワークが多いなどで、内出血やうっ血などが起こり、尻の梨状筋が硬くなったり萎縮したりすることがあります。すると、それが坐骨神経を圧迫して、さまざまな体調不良をもたらすのです。

坐骨神経痛という分かりやすい形で発症すれば、医療機関にかかってすぐに治療もできますが、問題は自覚症状がない程度に異常が起きている場合です。軽度の梨状筋症候群では、わずかに神経伝達が抑えられ続けることにより、足に力が入りにくくなったり体力低下が起きてきます。

あなたの体力低下は年齢のせいではないのかもしれませんよ。

・・・・・なぜ、ここでそんなことを?

まず第一に、体力低下のままですと、全身にいろんな不調が起きてくる可能性が大きいということです。ハリや灸での治療をしようと思った場合、神経伝達が悪いと効きも悪くなります
。それに、薬の効きも悪くなるので、事は鍼灸だけの問題じゃないんです。ドリンク剤や栄養剤を飲んでも、効き目が感じられなくて、もっと強い薬を・・・などと。

そういうわけで、私は治療スタイルとして、最初に股関節のチェックをして、異常があれば先にそれを少しでも取ってから、経絡治療による全身調整に入っていくことにしています。
 

 検査と治療 @股関節の左右差

 まず、横になって
 両膝を立てます


 お尻をぐいっと
 持ち上げます


 お尻を下ろします


手で両膝をくっつけたまま抱え込んで引きつけ、膝のてっぺんの高さの左右差を見ます。

ここでもし片方が低ければ、そちら側の関節が外に開いている状態ということになります。

正常に支える力が弱いという風にも言えますので、低い側が調整の対象です。補ってやりましょう。

  治療法   筋や骨格にとって危険なことは一切やりません。温灸か気功点穴でできます。

つ目は、「膝が低かった側の」陽池穴です。
ツボの位置は右図のように、手首の背の真中を軽く触れて凹みを探します。軽ければ1回の灸で治りますが、灸が終わるごとにチェックしていって、最大3回を目安に行います。
2つ目は、チュウカン穴です。 ツボの位置は、胸骨(胸の谷間の骨)の下端のお腹の肉との境目と、へそとの中点です。
ちなみに、子宮前・後屈に対しては、チュウカン1穴で治療します。

温灸を使わずとも、気功点穴でも効果を確認できました。
点穴の場合は、症状の程度にもよりますが、2,3分から5分程度になると思います。指をツボに乗せて力も入れずに回すだけで股関節が動くというのも不思議な話ですね。

何度も調整しても今ひとつとか、何度も再発するような場合は、下記にあるような坐骨神経のかみ込みがないかどうか注意し、かみ込みがあれば先にそれを治療して下さい。
また、体(内臓)の調子が悪いと、やはり股関節も崩れてきますので、たまにチェックするといいでしょう。一度治療すればずっと整っているわけではありませんよ。

 

 検査と治療 A梨状筋周りの坐骨神経の圧迫の有無

この検査は、本来は1人で行うものではなく、誰かにやってもらった方が分かりやすいと思います。

まず、足の親指を手の指先2,3本で上から軽く押さえます。
そして足の親指に力を入れて上に起こし(そらし)ます。
この時に、手の力をスッと抜きながら足の指の力の入り方をチェックします。

左右で力の差がないかどうか、片方だけ踏ん張っているのに力が弱い場合が異常です。また、両方に異常があることもあります。
力の入らない側の尻の梨状筋周辺が治療のポイントです。

  治療法   ストレッチが主体です。

右図の青色のラインが梨状筋の部分です。深層の筋なので手で直接触れて感じることはできませんが、上記の検査で異常があれば、図の赤点の辺りにシコリがあるはずです。
深層なので指で押さずに、手のひらで軽くふわっと体重をのせる感じで判断します。
押された方も、痛みや硬さの感覚は感じ取れるようです。
※注意: 股関節がおかしくなるので体重(力)をのせすぎないこと

誰かやってくれる相手がいる場合は、ストレッチの前段階として、手のひらで圧をかけることで、軽くほぐしておくとよいでしょう。
筋を傷めるので、ぐりぐりと力を入れてもんではいけません。要領はタイヤの空気を抜く感じです。タイヤとか浮き輪の空気って、力を一気にかけても反発力がきてスムーズに抜けませんよね。
自分の呼吸を深呼吸ぎみにして、吐く息に合わせて手のひらを使って上から体重を少しずつのせていきます。そのうちシコリが壁となって手が止まります。そこで短気を起こして力をぐいっと入れると防衛反射で筋の緊張がかえって増します。

シコリに手を当てたままで呼吸に合わせて力を抜いたり圧を乗せたりを波のように繰り返します。するとシコリの表層の緊張が取れます。
そうしましたら、さらに手の位置を少し深くしてシコリに手が当たった状態で同様のことを行い、また位置を深くしていく・・・と。

シコリの状態によっては、左右両方にある場合は1時間近くかかることもありますし、軽度の場合は1,2分で終わります。

1.
図では左の尻にシコリがある場合です。
シコリのある側の膝を立てて反対側の足の向こうに置きます。
2.
立てた膝を両手でつかんで、膝の頭を反対側の肩に近づけるような感じで引き寄せていきます。
3.
(別の角度で見ると)
図の赤い部分を横に開いて伸ばすような感じで力を入れずに足を倒していきます。

この時も力の入れ方はシコリに圧を加えるときと同じ感じです。力任せにぐいっとやっても、筋が緊張して逆にもっとシコリが硬くなります。足を引きつける腕には力を入れずに、吐く息に合わせて足を倒しこんでいくようにやります。
これ以上は、という所で止まったら、その状態で何呼吸か置いた後、一旦少し力を抜いてつかんだ膝をくりくり動かして、関節を慣らしてから、再度挑戦、という繰り返しです。
 
この尻のシコリは、尻もちをついて転んだときの打撲でよく起こります。凍結する寒冷地に多いかもしれません。しかもやっかいなのは、処置をしなければ10年、20年たっても残っているんですね。 
治療法としては、ハリを使ったものなどいろいろありますが、ここでは一般の方にもやれる方法を紹介しました。
もちろん私も現場で使っているので、プロの方でも十分使えますよ。

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